羨ましい感情を実現できたとき ー 行動の裏に自分にある「何か」に気付いた

思考の整理

なぜか聞き流せなかった、友達の一言

人の話を聞いて「いいな」と思うことはあっても、それが本当に自分の出来事になるとは、なかなか思えないものです。
ですが、それを実現できた時の話をしたいと思います。

数年前、友達が「一人で海外旅行に行った」と話してくれたときのことです。

私たちは英語を勉強している仲だったので、海外に行くこと自体は珍しいことではありませんでした。
それでも、「一人で行った」と聞いたとき、私はかなり驚いたのを覚えています。

特に、女の子が一人で海外に行くということが、当時の私にはすごく遠いことのように感じられました。

「すごいな」「いいな」「カッコいいなぁ」

そう思いながらも、どこかで「自分には難しいかもしれない」とも感じていました。

結局、そのときはただ「いいな」と思うだけで終わりました。
仕事もありましたし、すぐに行ける状況でもなかったからです。

それでも、その言葉はなぜか心のどこかに残り続けていました。

悪い想像をして、様々な理由で辞められないか考えた

それから数年が経ち、あるとき、時間に余裕ができたこともあり、
「せっかくだから海外に行ってみたいな」
と、ふと思うようになりました。

ちょうど旅行のセールもあり、
「とりあえず予約だけしてみよう。キャンセルもできるみたいだし」
そんな軽い気持ちで予約をしました。

ただ、出発日が近づくにつれて、いろいろな“悪い想像”が頭に浮かんできました。

もし英語が通じなかったらどうしよう。
周りがみんな外国人だったら、うまく過ごせるだろうか。
一人でいることを寂しく感じたりしないだろうか。

まだ何も起きていないのに、不安な想像だけがどんどん広がっていきました。

実際、このときはキャンセルすることもできました。
予約は、出発の一か月前までならキャンセルができたのです。
そのため、ボタンに手をかけたことが一度か二度ありました。

「この時期は予定が変わりそうだから、やめておこうかな」
「ほかの用事が入りそうだし、今回は見送ろうかな」

そんなふうに理由をつけて、やめようと考えていました。

でも、本当の理由はきっと違っていたのだと思います。

やっぱり少し怖い。
一人で行くのは不安。
もしかしたら寂しいかもしれない。

そんな気持ちが、心の中にあったのだと思います。

それでも、心のどこかに
「せっかくだから行ってみたい」
という気持ちが残っていました。

そして最後は、一歩踏み出してみることにしました。

実際には、想像とは少し違う時間が流れた

実際に現地に行ってみると、誰かと行く海外旅行とはやはり違いました。

下調べも、当日の行動も、現地でのやりとりも、すべて自分一人です。
迷っている暇がない場面もありました。

現地では英語で会話をすることになります。
流暢とは言えない英語でしたが、

「I want…」
「Thank you」

そんな簡単な言葉を使いながら、なんとかやりとりをしていきました。

すると不思議なことに、思っていたよりも普通に時間が過ぎていきました。

誰かが冷たくするわけでもなく、むしろ気持ちよく対応してくれることが多かったのです。

旅行前にはいろいろな不安を想像していました。
でも実際には、その想像とは少し違う時間が流れていました。

世界は、思っていたよりもやさしく迎えてくれる場所なのかもしれない。
そんなことを、少しずつ感じるようになりました。

行動の裏に、絵本の1ページが自分のなかに住みついていると気付いた

旅行の最終日、この数日間を振り返りました。

すると、意外にも
「ちゃんと過ごせていたな」
と思えたのです。

そのとき、ある絵本の一文を思い出しました。

「いきたいところへ いっちゃう わたし」

この旅行には、いろいろなきっかけや偶然があったと思います。
でも、実際に予約ボタンを押したのは自分でした。

友達の話を聞いたとき、私はただ「いいな」と思っただけではなかったのだと思います。

その中には、
「私もそうなりたい」
「私もそんなふうに動ける人でいたい」
という気持ちも、きっと含まれていました。

以前の私なら、その気持ちはきっとそこで終わっていたと思います。
自分の行動につなげるきっかけが何かあったはずだと思いました。

そんなときに思い出したのが、その絵本でした。

その絵本の中には、
「いきたいところへ いっちゃう わたし」
という言葉があります。

この言い方が、私はとても印象に残っていました。

「行きたいところへ行けたらいいな」ではなく、
もうすでに行っちゃっている私。

願いではなく、すでにそうなっている姿が表現されているのです。

そして、その言葉と一緒に描かれている挿絵も、とても印象的です。
新しい景色や、見たことのない場所。
これから何かに出会いそうな、わくわくするような空気が広がっています。

その絵を見ていると、
行きたいところへ行って、
新しい景色や出会いを楽しんでいる自分の姿が、
もうそこにあるように感じられました。

まだ実際には何もしていないのに、
なぜか「私はそういうことができる人かもしれない」と、
少し錯覚したような感覚になったのです。

だから今回も、
「羨ましいな」で終わらせるのではなく、
実際にやってみたらどうなるんだろう。

そんな気持ちが、少しだけ強くなったのかもしれません。

人の言葉や、本の言葉は、
その場ですぐに何かを変えるわけではないのかもしれません。

実際に私が絵本を見たのは2年前の話です。

でも、ふとしたときに思い出して、
自分の選択を少しだけ変えてくれることがあります。

あのとき読んだ
「いきたいところへ いっちゃう わたし」

その言葉を思い出したから、
私はキャンセルボタンを押さずに、
そのまま旅に出てみようと思えたのかもしれません。

そしてやっぱりこんな気持ちにさせてくれる絵本を、皆にも好きになって欲しいなと思わせる出来事でした。

おすすめの絵本

あらすじ

私が今回の旅を思い出すきっかけになったのが、
谷川俊太郎さんの絵本 『ここはおうち』 です。

詩人・谷川俊太郎さんと画家・junaidaさんが、往復書簡のように言葉と絵を交わして作られた絵本だそうです。

この絵本は、「ここはおうち」という言葉から始まり、
自分がいる場所や、そこから広がる世界を静かに描いていきます。

言葉はとてもシンプルですが、
読んでいるうちに視点が少しずつ広がっていき、
自分のいる場所や、これから出会う景色について考えさせられるような作品です。

言葉が少ないのに、想像が広がる絵本として知られています。

谷川俊太郎さんらしいやわらかな言葉と、
新しい景色を見せてくれる美しい挿絵が合わさって、
読む人によってさまざまな意味を感じ取れる作品になっています。

そのため、子ども向けの絵本でありながら、
大人が読むとまた違った印象を受けるという感想も多く見られます。

静かでやさしい言葉と、
少し遠くまで連れて行ってくれるような絵。

そんな世界観が、多くの読者に印象に残っている絵本のようです。

何度見ても楽しめる、何度見ても新たな発見がある絵本なので、
ぜひ手元に一冊置いておくことをおススメします。

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